大阪-東京出張ツーリング 1 (往路)

うっちぃ

2011年09月28日 09:48

しっかり準備も整え、プランも頭に叩き込んでいつものように11時頃就寝した。
私は独立以来、一度も目覚まし時計を使ったことがない。サラリーマンを辞めてからというもの不思議と必要な時間に目が覚めてしまうのである。
なので明朝5時に出発しようと考えているので自然と4時半くらいには目が覚めるはずなのである。
ところが、とんでもない時間に目が覚めてしまった。
なんと2時15分、もちろんあの丑三つ時のことである。
さすがにこれじゃ早すぎるし、そもそも睡眠不足で時分の体力が心配だ。ということで一度目は覚めたもののもう一度寝ようとしたのだが10分たっても寝付けそうにない。既に興奮モードに入っているようだ。こんな時は無理に寝ようとしてイライラするよりもサッサと起きてしまった方がいいということで、起きてしまった。
ここのところ急に涼しくなっているので少し多めに着込んで熱いコーヒーを飲み順場万全。
出発は早朝3時。


中央環状線から国道2号そして163号を順調に快走。ただ早朝3時というのは真っ暗で夜と同じ。景色を楽しむというわけにはいかない。
夜明けまでの3時間弱は距離稼ぎという感じで楽しいというわけではない。ただこの夜中の時間帯というのはトラックが多く、しかも元気いっぱいにスピードを出しているもんだから、こちらとしても流れに乗らなくてはとややオーバースピード気味であった。
ただ無理ははできないので途中何台かのトラックにはぬかしてもらい、あくまでマイペース走行である。

今回の大阪-東京ツーリングでの最大の難所というか、事前調査で気をつけなければと思っていたのが例の自動車専用道路で125cc未満のバイク通行禁止になっている国道25号の伊賀-亀山間の60km弱。
通常は名阪国道を通るのだが我GN125Hは原付二種の125cc未満バイクなので通れない。よって旧道の方の25号を走るわけだ。
今回は早朝出発だったのでまだ夜明け前、すなわち真っ暗な夜と同じで街灯なんてものはなく、実際に走ってみてビビッたのが途中は未舗装のダートあり、山間部だからアップダウンあり急カーブありの、ちょっと・・・いや、ちょっとどころではない恐怖を感じての走行だった。
なんたってこのエリアは伊賀忍者の故郷である、どこから手裏剣が飛んでくるか分からない・・・・(な、わけないわな)
昼間ならまだしも、真っ暗闇でしかも始めて通る道なのだ。この未舗装路エリアは時速20kmくらいでのヨチヨチ走行となってしまった。

ただ、これも経験である。未舗装路も終わりアスファルトの道になるとホッとする。そして亀山エリアに入ると、「あ~俺は生きている。」
な~んて、ちょっと大袈裟と思われるかもしれないが、そんな感じであった。

そうこうしているうちに夜が明けてきた。
そうです、明けない夜は無い。どんなに辛くても朝は必ずやってきます・・・・(笑)
その後は順調に快走し名古屋に7時頃到着。約4時間で名古屋に着くということが分かったわけだが空模様が怪しい。ポツポツと雨が降ってきた。
まあ時間も時間だし朝食休憩と雨の様子をみようと思い、マクドナルドでソーセージマフィンとホットコーヒーを注文。外の様子を見ていたのだが、雨がやむ様子はまるでない。
う~ん、雨の中を東京まで行くのか・・・・?
まさか天気予報ではくもりだったから、ずーっと雨ってことはないだろう。しばらく走れば止むだろうと楽観的憶測のもと準備しておいたレインウェアを着込み、さらにブーツカバーもはいて7時45分東に向かって走り出した。

ここから先は国道1号をひたすら走るということになるのだが、雨は一向に止まない。まさに雨の中のツーリングということになるのだがはじめのうちは早く止まないかなと思っていたが、人間とは不思議なものでだんだんと開き直ってくるものである。
こうなりゃどんどん降りやがれってなもんだ。
そもそも私は若い頃から雨の日のドライブは嫌いではなかった、と言うよりも好きだったと言っていい。
もちろん晴天にこしたことはないのだが、雨の日のドライブというのは外は雨なのに車の中だけ別世界、まるで窓がついた潜水艦に乗っているような気分になれたからだ。

ところがバイクの場合は潜水艦の気分にはなれない。なんたって車と違って雨が直接体にあたってくるのだから。いうならば水中スクーターである。
ただねそれはそれでいいではないか・・・・
陸を走っていながら水中スクーターを運転している気分になれるんだからね・・・・(笑)
と雨に濡れながら、浜名湖までやってきた。

せっかくなんでちょっと写真をとってすぐに出発、次の目標は今回のサブテーマでもある「食堂さくら屋」である。
静岡を越えればもうすぐなのだが、その前にガソリンを入れなくては。
それにしても静岡県でのガソリン価格は高いのにびっくり。リッター148円前後が静岡県の相場のようだ。大阪と比べると10円も高い。
まあ、GN125Hの場合スッカラカンの状態からでも10リッターしか入らないので満タンにしても100円の差も出ないのだが、なんか同じガソリンなのに価格がこんなに違うというのは、なんだかなぁ~なのである。
まあ、とにかくガソリンスタンドに入ったのだがセルフではないところで初めて入れた。
348km走って入ったガソリンは8.84リッター。燃費換算するとリッター39.36kmである。長距離走った割にはそんなに伸びてないなぁと思ったがここはセルフじゃないのでいつも入れるよりギリギリまで入れていたように思う。いづれにしても、やはりリッター40km前後は走るいいバイクである。
さあ、「食堂さくら屋」まであと少しだ。それにしても雨脚が強くなってきたぞ・・・・(笑)

いよいよ着きました「食堂さくら屋」、到着時間は午後1時。
到着した時は雨も本降りでちょうどお昼を過ぎていたとうこともあり、客は私だけ。
お店に入ると、店員のおばさんが「あらぁ、大丈夫ですかぁ?、どうぞこのタオルで拭いてください。」とタオルを渡してくれた。
レインウエァのおかげで本人はなんともないのだが、見た目にはずぶ濡れの哀れな姿に違いない。
それにしても、感じがいい。
席に座ると大将が「雨の中大変ですねぇ、どちらから来られたんですか?」と聞かれたので
「この店の評判を聞いたんで、大阪から来ました。」と答えると大将はじめ店員のおばさんたちが「うぉ~っ」と感嘆詞。
大将とも話がすすむ。
高速を使っていたのでは、こんな経験はできない。こういう旅の触れ合いというのかローカルならではというのか、ひとつの醍醐味でもあると思う。
そして頼んだのが「食堂さくら屋」の一番人気メニュー、さくら屋定食。

この内容で1280円はハッキリ言って安い。もちろん美味い!
ここでゆっくり1時間ほどのんびりして出かけるわけだが、出掛けに「バイク乗るのにシートを拭きたいのでタオルを貸していただけませんか?」
と聞いたら、「どうぞこのタオルを使ってください、そうそう持っていっていただいて結構ですよ。」と嬉しい言葉。恐縮しながらも遠慮なくタオルをいただいてシートを拭いていざ出発。
「食堂さくら屋」の醍醐味はもちろん料理にあるんだろうが、私はそれ以上に人情味あふれる大将と店員のおばさん達だと思う。
実に気分がいいのである。こんな気分であれば雨なんてなんてことはない・・・・♪

そしてここからは国道1号から沼津を通り246で東京に入るコースだ。
晴れていれば楽しみにしていたのが富士山を望みながらのツーリングだったのだが、この雨では仕方がない。
富士山を楽しみはあきらめていたのだが、なななんと・・・・。こんな天気なのにしっかり富士山が見えるじゃないの。
なんだかさらに嬉しくなきたぞというわけで、またまた写真を撮った。

ところでお気づきだろうがバイクも本人も雨に負けず元気なのだが、デジカメが完全にやられてしまった。レンズ内が曇っている。どうやら長時間雨にさらされてバッグから雨がしみこみデジカメがやられたようである。
とりあえず乾かしたらなんとかなるだろうか・・・・?
まあ、これも経験だわな・・・・(笑)

富士山を越えれば、ひたすら246を東に実家のある世田谷までひた進み、ひた走ったわけだが6時に到着した。早朝3時に出て夕方6時到着、合計16時間のツーリングで走った距離は536kmだ。
予定より出発が2時間早かったわけだが、思ったよりも早く到着できた。
う~ん、これなら無茶なプランとも言えないではないか。
丸一日バイクに乗れて充実した一日といえる。

実はこれを経験したら、こんなことは二度としたくないと思うかもしれないと想像していたのだが現実はさにあらず。名古屋から東京までずーっと雨に降られたというのに、なんと楽しい一日だったろう。
辛いはずなのに、なんでこんなにも楽しく感じるんだろう・・・・・?
そして、この心地いい疲労感はなんとも言えない充実を感じるのである。


1.大阪-東京出張ツーリング 1 (往路)
2.大阪-東京出張ツーリング 2 (プチツーリング)
3.大阪-東京出張ツーリング 3 (復路)
4.原付二種GN125Hで行く、大阪-東京出張ツーリング 4

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