いまさら書くまでもないのじゃが、私はバイクが好きで好きでたまらない。
これも不思議なもので、昔からずーっと憧れていたというわけでもなく、具体的に欲しいバイクがあるというわけでもなかった。
2011年夏。
とにかく、この年の夏は異常なほどに暑い日が続いていた。
私の仕事というのは働けば働くだけ収入が増えるというような時間給の仕事ではない。
アイディアや発想が勝負というところがあって、常に情報のアンテナを張り巡らせビジネスにどう結びつけるかを考え、そしてそれを具現化するためにどうすればいいのかを考えるという仕事じゃ。
さして頭がいいわけでもない私がこんな仕事をしているというのも妙ではあるが、ない知恵を絞ってもんもんと考える日々が続いているわけじゃ。
そんな仕事をしている自分にとって猛暑というのは実に辛いんじゃよね。
ただでさえ煮詰まっている脳みそが、この猛暑でさらに煮詰まって、ろくなアイディアが浮かんでこない。
集中力もとぎれがちで、なかなか仕事が進まない。
そんなときに、気分転換でプラーッと外出して、たまたま目に入ったのがGN125Hじゃった。
あ~、こんなバイクで走ったら気持ちいいだろうなぁ~。
いやいや、それどころじゃないじゃろ。
そもそも先立つものがないではないか・・・・。
ところがどっこい、値段を見てびっくりチョンマゲ。
ジェジェッ、ゲンチャリと同じような値段じゃないの・・・・!
というわけで、買っちゃったわけですよ。
要するに衝動買いというやつじゃ。
だから、私はバイクのことなんかな~んにも知らない超ド素人じゃ。
そもそもバイクでギンギンに飛ばそうなんて、これっぽっちも考えていなかった。
ただ、ぷら~っと仕事の合間に近所を走って、気分転換ができればいいと思っていた。
じゃから高性能バイクなんちゅうもんは宝の持ち腐れで、GN125Hのスペックがあれば十分だったわけじゃ。
実際に納車され乗り出してみて不満なんてものはほとんどなかった。
なんつったってゲンチャリ以外に比較するものがないから不満が出ようにもないわけじゃよ。
こうして乗り出して2年目に入り、1年と8ヶ月が過ぎ距離も29200kmを超え、3万キロになろうとしている。
よくもまあ、こんなに走ったもんじゃと我ながら感心してまうのじゃが、これくらいバイクに乗るのが好きになってしまったんじゃよ。
バイクにまたがり、エンジンの鼓動を感じスルスルと走り出す。
冬の寒風も真夏の熱風も、知恵と工夫でなんとか自然と仲良くできる。
体全身で風を受け、四季折々の色・臭い・音を感じながらのんびりとマイペースで走り抜ける。
腐った自分の脳みそに心地よい風が吹き抜ける。
誰にも邪魔されることのない、ひとときの自由を謳歌することができる。
これが私がバイクが好きな理由というわけじゃ。
ただ、こんな感情を持てるシチュエーションというのはどうしても限られてくるんじゃよね。
現実には渋滞に信号待ち直線か直角だけの交差点とバイクを楽しむにはネガティヴな要素が多過ぎる。
都会に住んでいるとバイクを楽しむ環境というのは難しいと思うのじゃが、私の場合少々恵まれた環境でね。
近所とはいえないかもしれないが、それでも30分ほどで行ける所にお気に入りの場所がある。
それが「るり渓」じゃ。
ここのワインディングロードは実に心地よいのじゃよ。
ちょっと時間が空いたときには、そう1時間半~2時間もあればちょっとしたプチツーリングができる。
るり渓というのは江戸時代に園部藩主がよく探勝したといわれている景勝の地なんだけれども
明治38年にこの地を訪れた当時の船井郡長があまりの美しさに感動して「琉瑠渓」と命名したということじゃ。
「琉瑠」とは、紫色をおびた紺色の宝石のこと。人の手の入っていない神秘的な地にありのままに存在する緑と渓谷は、宝石にも値する美しさを感じたんでしょうなぁ。
ここのワインディングロードはバイク好きには有名なエリアらしいのじゃが、私は平日にプラーッと行くので
バイクにも車にもあまり遭遇することはなく、気持ちよく走れるというわけじゃ。
しかも、この道はコーナーのRがそこそこきついので大型バイクではもてあまし気味になるので
我が愛車GN125Hにはもってこいのコースと言えるんじゃよね。
るり渓周辺を、自然の息吹を感じながら走るのが好きじゃ。
私の腐った脳みそが活性化され、いいアイディアが浮かぶ下準備が出来るような気がするんじゃよ。
手付かずの神秘的な自然の中を走るのが好きだ。
自由に羽ばたく鳥になったような気分になれる。
のびのびと奔放に走り回る野生の獣になったような気分になれる。
こんな贅沢をするためにも、
今日も仕事を頑張ろう~・・・・♪