昔、ダンゴ三兄弟と言う曲が一世を風靡したことがあった。
ミリオンセラーの大ヒットとなったダンゴ三兄弟であるが、流行語ともなりしばしば○○三兄弟という表現が使われたものだ。
ダンゴ三兄弟ならぬ、未納三兄弟なんて国会で話題になったことがある。
さて、今回私が試乗したのがホンダのニューコンセプトバイク、NC700シリーズだ。
このNC700にはネイキッドのS、アドベンチャーのX、そしてオートマチックのINTEGRAという3機種があり
NC700三兄弟というわけである。
スポーツネイキッドタイプのNC700S
クロスオーバーとかアドベンチャーと言われているNC700X
次世代DCTを備えたオートマチック車のINTEGRA
三兄弟と言われる理由はエンジンとシャシーが同じだからなんだけど、デザインも性格も違うはずだ。
そしてNC700の最大の特徴は今までのバイクとは設計コンセプトそのものが違うということと、驚異の低価格ということだ。
700ccというビッグエンジン(最近では1000cc以上をビッグと呼び、700cc前後はミッドレンジというらしいが)
のバイクとなれば、コンセプトはスピードであったり迫力であったりと、趣味性の高いバイクであるからにして、そんなイメージのものが多かったように思う。
ところがどっこい、NC700は気軽に乗れるコミューターというコンセプトなのである。
大型バイクであるにもかかわらず、肩を張らずに気軽に街乗りができて燃費もいいというのであるから、ちょっと前の大型バイクのコンセプトとはまるで違うじゃないの。まるで原チャリの感覚である・・・・(笑)
で、ビックリすることに一番安いNC700Sのスタンダードタイプでなんと59万8500円なのじゃよ。
おいおい、400ccのバイクより安いじゃん・・・・!(笑)
ネットで口コミ検索を見てみると、気軽に乗れて気に入っているという書込みの他に、案の定つまらないバイクと批評している書込みもある。
まあ、バイクなんてものは実用と遊びの部分が微妙に交じり合っていて、人によって感じ方は180度違っても不思議じゃない。要は何を求めるかによって、その価値はガラッと変わってしまう。
では自分が乗ったらどんな風に思うのだろうか・・・・?
というわけで、ホンダドリームに行って試乗してきましたので簡単に私の感想を書きたいと思います。
先ず、最初に乗ったのがNC700S
またがった感じは、ちょうどいい大きさだなとスーッと自然に乗れた。足着き性もなかなかよろしい。
エンジン音も、いい意味で静かだから
たしかに、この感覚はきばらずにサラッと気軽に乗れそうだ。
とは言え、700ccのエンジンが搭載されていることは紛れもない事実で、一発鞭を入れると元気良く加速してくれる。
しばし、この加速感を試してみたのだけど、なかなか気持ちいいのである。
少なくとも自分の感覚として楽しめない、つまらないバイクとは思えない。
乗り方次第で十分にスポーティーに楽しむことができるんじゃないの・・・・と思った次第である。
そして、このエンジンは低速トルクがすこぶるあって、低回転でのズボラな走行も許してくれる。
まあ逆にレッドゾーンが6500回転からなので、普通のバイクのように高回転まで回す楽しみというのはないのだけれどね。
ただ、公道を走る上でなんら不足のないパワーがあるというのが実感じゃ。
続いてクロスオーバーというのかアドベンチャーというのかフラットオフロードくらいなら十分に走破できるというのがうたい文句のNC700Xに乗った。
またがった感じはSよりもアップライトな感じとなり着座位置も高くなるので足着き性はちょっと悪くなるが十分に許容範囲だ。
エンジンは3者共通で全く同じものだから加速感やパワーの感じ方はSとほとんど同じと言っていい。
違いはオフロード走行も考慮してのサスペンションの違いということになるが、乗り心地としてはSもXも大差はないように感じた。しいて言うとXの方がサスペンションストロークが長い分、普通に走っている分にはXの方がいいかなという感じ。今回はワインディングを攻めるということもしていないので分からないが、想像で言えばコーナーを攻めたい人はSの方が合っているように思う。
行動範囲の広さや汎用性、あれもこれもと考え出すとXはなかなか楽しめそうな気がする。
価格もABS付で69万9300円と70万円を切っているんだから、驚異の低価格バイクと言えるんじゃないかな。
SとXに共通して言えることなんだけど、NC700の最大のポイントは新開発のエンジンにあると思う。
そして、このエンジンはきっと賛否両論を生むんだろうなというエンジンなんだけれども、簡単に言うと低燃費4輪車のフィットのエンジンを半分にしたといえばいいんでしょう。すなわち、元々は低燃費乗用車のエンジンということなんだよね。
だからバイクを語る上で根本のコンセプトがまるで違うわけよ。
今までのバイクのエンジンに対する常識や観念で見ると、まるで違うから、こんなのバイクのエンジンじゃねぇ。
と否定する人が多いような気がする。
じゃあ、私はどうかというと
否定はできないなぁ~・・・・・というのが本音。
このエンジン気に入った!、惚れたっ!
というようなものではないんだけど、別に悪いところはないでしょと思うんだよね。
良妻賢母型と言えばいいのかなぁ。
飛びぬけた美人ではないけれど、なんてもそつなくこなせる頼りがいのあるいい女って感じかな。
ちなみに最後にINTEGRAにも乗ったんだけど、私は大型のスクーターに乗っているような感じがして購入意欲はわかなかったというのが正直なところですね。
渋滞とかになれば、オートマチックというのはクラッチがない分楽なんだけど、私が欲しいのは、乗ってみたいのはクラッチ付のバイクなもんだから仕方ないよね。