隣の芝生は青く見える。
ないものねだり。
強欲な人間の性なのかもしれない・・・・。
どんなにいいものでも、もっとこれが出来たらいいのに・・・・
もうちょっと、こうなれば言うことないのに・・・・
そんな要望というか、欲望が出てくる。
まなあ、その欲望があるからこそ、科学や技術そしてサービスというジャンルまで発展してきたわけだけどね。
もちろんバイクにだって、ある程度同じことが言えると思うんだよね。
例えば、前回乗ったトライアンフのストリートトリプル。
たまらなく、素晴らしいバイクだと思うんだけど、積載性にちょっと問題があるんじゃよ。
私の場合、東京―大阪のロングツーリングもニーズに入っているので、ちょいと気になるポイントなわけ。
あと、積載性と高速ツーリング時の防風効果が良ければ問題ないんだけどなぁ・・・・と。
そして、その問題を解決してくれそうなのがタイガー800なんじゃないかなと思い、試乗してきました。
トライアンフにとってのタイガーという存在はBMWにとってのGSシリーズ、ドゥカティのムルティストラーダということになり、いわゆるアドベンチャーとかマルチパーパスとかクロスロードと呼ばれているジャンルになる。
すなわち、車高・シート高が高目になるのでどうしても足着き性は通常のネイキッドに比べると悪くなる。
実際タイガーにまたがってみるとご他聞にもれず、足着き性ということではつま先ツンツン立ちという感じでになる。
街中や渋滞時には、ちょいと不安になる。
ただ、ひとたび走り出すとその不安は一気に吹っ飛んでしまう。
ストリートトリプルの675ccエンジンを800ccに排気量アップしており、その排気量アップはトルクアップに繋がっていて特に低回転から中回転域でのトルクフルな感じはとても扱いやすい。
トライアンフの3気筒エンジンって、本当によく出来ているなとつくづく感心させられるんだけど、低回転域ではまるでツインエンジンのように鼓動感がありトルクフルで扱いやすく、中回転から高回転域では4気筒マルチのようにスムースに気持よく回ってくれるのじゃよ。まさにツインと4気筒のいいとこ取りという感じなのじゃ。
そして、このタイガーのエンジンはストリートトリプルと比べると排気量アップというだけではなく、味付けがちょっと変わっているように思う。ストリートトリプルよりさらに穏やかにというか、いい意味でマイルドな味付けになっている感じである。
さらにサスペンションストロークが長くなった分、足着き性は悪くなったが逆に乗り心地はよくなっているわけで、もっと言えば瀬が高くなった分、視界も広がりよくなっている。
そう考えるとロングツーリングに出た場合は逆にストリートトリプルよりも魅力的になるかも知れないと感じた。
私にとってのトライアンフのイメージというのは、ボンネビルに代表されるようなブリティッシュトラディショナルでちょっとやんちゃな英国紳士だったのだが、こうしてストリートトリプルやタイガーに乗ってみるとイメージと現実にはギャップがあるもんだなとつくづく感じた。
食わず嫌いはもったいない。
なにはともあれ、心を無にして、一度体験してみるというのは大事なことだなと思った。
これはバイクだけじゃないよね。
人生そのものについても、一度リセットして、もう一度自分自身を見つめなおすのもいいかもしれない・・・・♪