2012年07月06日
トライアンフ ボンネビルT-100
もう30年以上も昔のことになるのじゃが、私が大学生の頃のことである。
私が通う大学には交換留学制度というのがあって、キャンパス内にはアメリカの提携校であるところのアメリカ人学生が何人もおって、よく議論したものじゃった。
1980年頃じゃから、ちょうどアメリカ建国200年の頃だ。
当時はどうしても経済的なことで議論となるわけじゃが、Japan as No.1なんて本も出ており日本の経済成長は素晴らしいもので20世紀の奇跡、アジアの奇跡とも言われており、日本人である自分としてはアメリカなんかにゃ負けないぞと思っていたのを思い出す。
ただ、現実には明らかにアメリカの方が経済力は遥かに上で、経済が成熟している分だけ新興国である日本の方が優れているように思われていただけというのが実態だったと思う。現実に数字を見れば、アメリカが上なのは明白だったのだから。
で、結局のところ経済論議ではアメリカ人の勝ちとなるのがひとつのパターンだったんだけれども
唯一、アメリカ人がどう頑張っても日本に勝てないことがあった。
その話題になると、生意気なアメリカ人留学生たちも素直に認めるという話題だ。
何かというと、
「歴史」なんだよね。
アメリカは、たかだか建国200年の国なのに対し、日本は卑弥呼の時代から、いや天照大神の時代から続いている遊所正しい国なのである。しかも脈々と続くロイヤルファミリーは現存する中では世界で最も古い国なのである。
歴史ばかりは、お金では買えない。
まさに、先人たちが脈々と築き上げてくれた「歴史」なのだから・・・・・。

バイクの世界だってそうだよね。
新興勢力が台頭し、性能やスペックで既存のものを凌駕したとしても、
歴史あるブランドには、イメージだけだとしてもどうしても太刀打ちできない雰囲気というものがあるものじゃ。
別にブランド志向というわけではなく、歴史の持つ品格とか重厚感とか威圧感とか
スペックでは語ることのできない、どうにもならない雰囲気というものがある。
私が若かりし頃、憧れていたKawasaki W-1というバイクがある。
ビンテージバイクと言っていいと思うのだが、そのW-1はイギリスのバイクを参考に、あるいは憧れ、あるいは追いつき追い越せを目標に作られたバイクなのである。すなわち歴史にはその先輩たる歴史が存在しているわけじゃ。
今回、私が試乗したバイクはW-1がお手本としていたといわれているトライアンフ ボンネビルT-100

いわゆるクラシカルなネイキッドということになるんじゃろうが、ボンネビルというバイクはスペックや性能をとやかく言うようなバイクではないと思うんじゃよ。
まあ、一応スペックを書いておくと、エンジンは空冷DOHC2気筒865cc、225kgの車両重量に対して68psというパワー。
数字だけを見れば、なんていうことはない。
と言っても、実は私には実にジャストフィットのストライクゾーンなのじゃがね。
またがってみると、シート高775mmと実に足着きがいいもんだからGN125から乗り換えても極端な違和感はない。
ポジションもGN125とほぼ同じようなものじゃ。
これなら気負うことなく、普通に走れるじゃないかと、妙な安心感が漂う。
エンジンは、心地いい振動とともに品がある迫力とでも言えばいいのか、決してうるさくはない程度のパラレルツイン独特の鼓動感のあるサウンドを奏でてくれる。
そして、スタートすると十分な低速トルクのおかげで実にスムースに加速してくれる。
この実にスムースに加速してくれるというのは、なめらかという意味ではなく、ある種の抵抗感を伴いないながら、エンジンのピストン運動を体感しながらでもスムースに加速するという意味で、ちょっと分かりにくいとは思うのじゃが、少なくとも私の感性にはドンピシャの加速感じゃ。

パラレルツインの独特の鼓動感・迫力があるにもかかわらずエンジンはいたってジェントル。まさに英国紳士の品格が備わっているという感じがする。
ただし、気合を入れてアクセルを空けるとさすがはレース界で一世を風靡したメーカーだけのことはあり、ガツンとばかりに強力な加速感を味わえる。
おそらく、現代のバイクと比較すればたいしたことはないのじゃろうが、通常がジェントルなだけに、ひとたびその気になってアクセルを空けると、さの差が明確に現れるので実測以上に体感値としてはスピード感を感じるんだと思う。
私にとっては十分なパワーを感じたので、なんの問題もないのだが、ボンネビルは乗ってよし・見てよし。特に休日はバイク磨きに精を出すという楽しみ方もあるような、それが似合うバイクだと感じた。
何も峠を攻めるだけが、バイクの性能ではないんじゃないかな。
のんびり流すのも、ただ眺めるだけも、それを楽しめる内容であれば、それはそれで立派なバイクの性能なのではないだろうか。

そんな思いにさせる、
ビートルズとストーンズをこよなく愛し、未だに筋肉が衰えない英国紳士という風格のバイクだった。
私が通う大学には交換留学制度というのがあって、キャンパス内にはアメリカの提携校であるところのアメリカ人学生が何人もおって、よく議論したものじゃった。
1980年頃じゃから、ちょうどアメリカ建国200年の頃だ。
当時はどうしても経済的なことで議論となるわけじゃが、Japan as No.1なんて本も出ており日本の経済成長は素晴らしいもので20世紀の奇跡、アジアの奇跡とも言われており、日本人である自分としてはアメリカなんかにゃ負けないぞと思っていたのを思い出す。
ただ、現実には明らかにアメリカの方が経済力は遥かに上で、経済が成熟している分だけ新興国である日本の方が優れているように思われていただけというのが実態だったと思う。現実に数字を見れば、アメリカが上なのは明白だったのだから。
で、結局のところ経済論議ではアメリカ人の勝ちとなるのがひとつのパターンだったんだけれども
唯一、アメリカ人がどう頑張っても日本に勝てないことがあった。
その話題になると、生意気なアメリカ人留学生たちも素直に認めるという話題だ。
何かというと、
「歴史」なんだよね。
アメリカは、たかだか建国200年の国なのに対し、日本は卑弥呼の時代から、いや天照大神の時代から続いている遊所正しい国なのである。しかも脈々と続くロイヤルファミリーは現存する中では世界で最も古い国なのである。
歴史ばかりは、お金では買えない。
まさに、先人たちが脈々と築き上げてくれた「歴史」なのだから・・・・・。
バイクの世界だってそうだよね。
新興勢力が台頭し、性能やスペックで既存のものを凌駕したとしても、
歴史あるブランドには、イメージだけだとしてもどうしても太刀打ちできない雰囲気というものがあるものじゃ。
別にブランド志向というわけではなく、歴史の持つ品格とか重厚感とか威圧感とか
スペックでは語ることのできない、どうにもならない雰囲気というものがある。
私が若かりし頃、憧れていたKawasaki W-1というバイクがある。
ビンテージバイクと言っていいと思うのだが、そのW-1はイギリスのバイクを参考に、あるいは憧れ、あるいは追いつき追い越せを目標に作られたバイクなのである。すなわち歴史にはその先輩たる歴史が存在しているわけじゃ。
今回、私が試乗したバイクはW-1がお手本としていたといわれているトライアンフ ボンネビルT-100
いわゆるクラシカルなネイキッドということになるんじゃろうが、ボンネビルというバイクはスペックや性能をとやかく言うようなバイクではないと思うんじゃよ。
まあ、一応スペックを書いておくと、エンジンは空冷DOHC2気筒865cc、225kgの車両重量に対して68psというパワー。
数字だけを見れば、なんていうことはない。
と言っても、実は私には実にジャストフィットのストライクゾーンなのじゃがね。
またがってみると、シート高775mmと実に足着きがいいもんだからGN125から乗り換えても極端な違和感はない。
ポジションもGN125とほぼ同じようなものじゃ。
これなら気負うことなく、普通に走れるじゃないかと、妙な安心感が漂う。
エンジンは、心地いい振動とともに品がある迫力とでも言えばいいのか、決してうるさくはない程度のパラレルツイン独特の鼓動感のあるサウンドを奏でてくれる。
そして、スタートすると十分な低速トルクのおかげで実にスムースに加速してくれる。
この実にスムースに加速してくれるというのは、なめらかという意味ではなく、ある種の抵抗感を伴いないながら、エンジンのピストン運動を体感しながらでもスムースに加速するという意味で、ちょっと分かりにくいとは思うのじゃが、少なくとも私の感性にはドンピシャの加速感じゃ。
パラレルツインの独特の鼓動感・迫力があるにもかかわらずエンジンはいたってジェントル。まさに英国紳士の品格が備わっているという感じがする。
ただし、気合を入れてアクセルを空けるとさすがはレース界で一世を風靡したメーカーだけのことはあり、ガツンとばかりに強力な加速感を味わえる。
おそらく、現代のバイクと比較すればたいしたことはないのじゃろうが、通常がジェントルなだけに、ひとたびその気になってアクセルを空けると、さの差が明確に現れるので実測以上に体感値としてはスピード感を感じるんだと思う。
私にとっては十分なパワーを感じたので、なんの問題もないのだが、ボンネビルは乗ってよし・見てよし。特に休日はバイク磨きに精を出すという楽しみ方もあるような、それが似合うバイクだと感じた。
何も峠を攻めるだけが、バイクの性能ではないんじゃないかな。
のんびり流すのも、ただ眺めるだけも、それを楽しめる内容であれば、それはそれで立派なバイクの性能なのではないだろうか。
そんな思いにさせる、
ビートルズとストーンズをこよなく愛し、未だに筋肉が衰えない英国紳士という風格のバイクだった。
Posted by うっちぃ at 10:09│Comments(2)
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この記事へのコメント
いや~、ボンネビルかっこいいし渋い!
昔の右チェンジと違って乗りやすくなったみたいですし、今はトライアンフの代理店もあっちこっちにありますよね。
いや、これは良いです。でもGNとある意味被りすぎな気はします(^^ゞ
2台並べて磨くようですね(笑)
昔の右チェンジと違って乗りやすくなったみたいですし、今はトライアンフの代理店もあっちこっちにありますよね。
いや、これは良いです。でもGNとある意味被りすぎな気はします(^^ゞ
2台並べて磨くようですね(笑)
Posted by 万里パパ at 2012年07月07日 10:09
万里パパさん
ほんと、渋いんですよ。
こういうバイクを乗りこなすのって、ちょい悪おやじの醍醐味でしょ。
いつかは絶対に手にしたいバイクですよね・・・・♪
ほんと、渋いんですよ。
こういうバイクを乗りこなすのって、ちょい悪おやじの醍醐味でしょ。
いつかは絶対に手にしたいバイクですよね・・・・♪
Posted by うっちぃ
at 2012年07月07日 10:47
